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このページの情報は 2006年1月23日0時1分 時点のものです。 |
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部分と全体―私の生涯の偉大な出会いと対話
本書は量子力学建設期の巨人、W・ハイゼンベルクによる『Der Teil und das Ganze』(1969) の邦訳である。訳はハイゼンベルクのもとで彼と共同研究を行っていた山崎和夫により、序文を湯川秀樹が寄せている。この豪華な顔ぶれが並ぶ本のページをめくってみると、まず内容のおもしろさに引き込まれる。題名からは難解な哲学書を思わせるが、本書はハイゼンベルクの自伝なのである。 圧巻は彼とボーア、アインシュタイン、ゾンマーフェルト、パウリ、ディラック、プランク等巨人たちとの対話である。そこではアインシュタインが「サイコロを振る神」の考え方を受け入れられず執拗に食い下がり同僚にいさめられたり、温厚な人柄で知られるボーアがシュレーディンガーと対決しついにシュレーディンガーが熱で倒れるも、ボーアはベッドの横にイスを持ち込んで議論を続けようとしたりと、そこからは巨人たちの姿を生身の人間として感じることができる。キリスト教の聖書は物語と対話によって神の教えがあらわされているが、本書では物語と対話によって物理学の巨人たちの教えがあらわされている。その言葉には重みがあり本書を開くたびに新たな発見がある。(別役 匝)
この本はハイゼンベルクの自伝のようなものなのだが
20世紀物理学の英雄のひとり、ハイゼンベルクによる最高の自伝である。但し、自身のノーベル賞受賞にも触れておらず、師や友人との見事な対話を前面に押し出した、哲学書の様相を帯びた内容となっている。
本書は、物理学の英雄の一人、W.ハイゼンベルクの自伝です。副題「私の生涯の偉大な出会いと対話」からも窺われるように、友人達との対話から成る本書は、親しみやすく、読者に忍耐を要求することもありません。著者と対話するのは高校の友人からアインシュタインまで様々。それぞれの対話から、読み返す度に新たな宝が見つかるでしょう。
第二次大戦後,ナチスに協力したのではないかとの嫌疑をかけられた物理学者ハイゼンベルグの自己弁明の書だが,そのような時代の文脈を度外視しても,これは第一級の時代の証言であり人生論だと思う。最近『日本経済新聞』の「半歩遅れの読書術」で紹介されたために,いま爆発的な売れ行きだそうだ。この手のしっかりした本が「爆発的に」売れるというのは,日本がまさに曲がり角のきており,古典に学ぼうとの気持ちが復活してきた証なのだろうか。それとも,単なる気まぐれか。気になるところだ。
量子論の形成の草創期からその完成以降までの経過を,実際にその中心的役割を果たした著者の人生とオーバーラップさせて、著者の経験を元に語ったものである.主に量子論の形成に携わった人物との対話によって話が進んでいくのであるが,その内容は非常に哲学的で,読者は注意深く読むことを余儀なくされる。そして著者が十代の高校生のころから非常に卓越した哲学性を備えていることに驚かされるが,その若きころの対話の数々を克明に記憶し,論旨を外すことなく正確に再現してみせていることにはさらに驚かされる.また,青年期を二度の大戦に巻き込まれながら,この天才物理学者が歴史と時代をいかに捕らえ,思想や行動に反映しているかというところも一読に値する.単に数理物理に駿越であるにとどまら!ず,あらゆる事物に対して,冷静な判断と,先見性のある思考を展開できる著者はまさしく天才と呼ぶにふさわしい. |
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